雪国では作物を長期保存するために雪中保存を活用していましたが、夏期間の保存は不可能でした。これを可能にしたのが雪室です。
- 旨さを引き出す熟成貯蔵
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「臭み・辛味(渋味)が消える」「美味しくなる」と云った先人たちの知恵を受け継ぎ、現在でも冬期間には大根や白菜などの雪中保存をする家庭が多く見られます。雪室では野菜に限らず、米・肉・魚・味噌・醤油・そば粉・日本酒・珈琲・茶など多種にわたり、また、長期保蔵が必要だった食材の熟成をも可能にしました。
雪室で保蔵し熟成した食材達は、その深い味わいとまろやかさで味覚を虜にします。 - 劣化・酸化を抑え鮮度を保つ
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いいで雪室研究所の雪室内部は、温度が60%〜80%程度に保たれています。一定の高湿度を保つ事で乾燥を防ぎ鮮度を維持します。また、低温状況下の細胞は耐寒のために活動を控えます。この低活動状態が劣化・酸化を抑えます。
雪室は冷蔵庫とは違い、外部からの影響(光度・湿度・温度の変化)をほとんど受けない事で、状態の良い熟成を可能にしました。 - 施設案内
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いいで雪室研究所では、雪室の設置や、雪室の賃貸及び管理、農林産物の保存・管理状況を研究しています。
雪室は保管貯蔵室と貯雪室に分かれており、自然対流方式により、保管貯蔵室は、室温2℃〜5℃、湿度60%〜80%程度に保っています。- 【 施設規模 】
- ■ 延べ床面積 163.9m²
- ■ 保管貯蔵室 72m²
- ■ 貯雪室 81.9m²
- ■ 貯雪量 347m( 3)
- 【 保管期間 】
- ■ 通年
- 【 保管料金 】
- ■ 1m( 3)当り 1ヶ月4,000円
- 【 雪室 所在地】
- ■ 山形県西置賜郡飯豊町大字松原1891-1外
鈴木酒造店 長井蔵 専務 鈴木 大介様
雪室は、温度・湿度が年間通じて一定であることが一番ですね。酒の保存は従来は冷蔵庫でやっていましたが、モーターの振動などが、酒に対してストレスになること、温度を一定に保つことがなかなか難しかった点が解消され満足しています。福島から山形にやってきたときは雪の多さにびっくりしましたが雪室に出会って雪に対する考え方が変わりました。